2017年3月、横浜市神奈川区・三春台の『池田商店』が閉店されました。

初めてお伺いしたのが2013年1月、冬晴れの空気が澄んだ日の事でした。

『この辺りは坂が多いから、歩いてくるの大変だったでしょ?(笑)』

まず労いの言葉を掛けてくださったおじちゃん。

「大きくなると駄菓子屋には来なくなるからさ、子供達って。でも、成人式の後とか、結婚して子供と一緒にとか、また来てくれる事があるから。とても嬉しいよね」

と破顔されてたおじちゃんを思い出します。

読者の方からの情報で、2017年2月に閉店を知りました。
その読者の方は昔からの常連で、お店にお手紙を渡してくださったそうです。

大層喜んでおられたとの事で、寂しくも哀しいはずの閉店のお知らせですが、その事で心が少し救われた思いです。

町の宝であった『池田商店』。
本当にありがとうございました


以下
2013年当時の過去記事です


神奈川県・横浜市。

その名を聞けば、文明開化のザンギエフ頭な香りが浜の潮風にのって流れてくる気がする・・・それほどシャレオツな港町のイメージ高きヨコハマ。
しかし、市街には山あり谷あり高台ありとオールマイティ・ボンジャックな輝きを放ち続ける、人口370万・日本NO1の市区町村でもあります。

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 (南区・三春台の高台より。ビル群の彼方が太平洋)

今回は横浜市・南区の高台にあたる三春台より、戦後の混乱期を経て60有余年前に開業した駄菓子屋「池田商店」を御紹介します。

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 (坂と高台が強烈な異国情緒をヨコハマにもたらす)

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 (見よ!この雄姿を!筆者も感動ナリ)

京急線「黄金町」駅が三春台の最寄ステーション。
ここから見る「黄昏に染まるヨコハマ」の景観はそりゃーもう圧巻との噂。

週末にもなると、何気ない日常の中のビューポイントを目指すウォーカーやチャリ族が多くこの辺りを闊歩し、坂道に溶け込む「池田商店」を見つけ、感激して駄菓子を買っていくそうです。
おじちゃんによると、「童心に還ったような眼をみんながしてくれる!!」との事。
さもありなん。駄菓子屋を多く巡っている筆者ですら、この風貌を目の当たりにした際、猛烈にノスタルジックに襲われたものですから。
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 (この配置は神の領域!古き良き駄菓子屋)

三春台周辺には、15年ほど前までは3~4軒の駄菓子屋があったそうですが、今では「池田商店」ただ1軒を残すのみ。
「昔来てくれた子達が、結婚して自分の子供を連れて来てくれる。こんな嬉しいことないよね!!」と少し照れながら話してくれたおじちゃん。

その言葉、三春台で育った人を代弁してそのままお返します。
子供の頃に通った駄菓子屋がまだ現役で頑張ってくれている・・・そんな嬉しいことないのですYO!と。
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 (店内にも駄菓子の群れが!もちのロン、消費税は頂きません)

横浜市・南区、三春台の高台には何とも言えない慕情と強烈なノスタルジック駄菓子屋「池田商店」が溶け込んでいます!

皆さんも「みなとみらい」だけではない横浜の魅力を探しに一度行ってみては如何でしょう!

「池田商店」アクセス
京急本線「黄金町」駅徒歩8分
神奈川県横浜市南区三春台71
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